「アニソン」について思うこと−「ぶっこみジャパニーズ」と「アメトーク 昭 和アニソン軍VS平成アニソン軍」−
最近アニソンにまつわる2つの番組を見ていろいろと思うことがあったのでを書きたいと思います。
ひとつは「ぶっこみジャパニーズ」という番組です。
日本の文化を誤解して曲解して好き勝手にしている海外現地へ日本の職人が正体を隠して潜入し最後にドッキリでその技術を披露して驚かせるという趣旨の恒例の番組です。
その中で今回は日本のアニメソングが流行っているタイで好き勝手にアニソン歌手を名乗り歌って活動している人々に水木一郎さんが正体を隠して話を聞いたり、指導してもらったりして最後にはアニソンイベントの日本のアニソンシンガーとしてゲストで登場し正体を明かして驚かせるというものです。
そのVTRを見ている司会のバナナマンやパネラーの中川翔子さんたちがいろいろと言うのですが、それがまあ「アニソンとはこうあるべき」みたいな感じの論調でその多様性を拒否するような感じが目立ってどうかなと思ったのです。例えばDJ風に曲を切り刻んでアニソンをアレンジすることに対して批判的だったりするんですが日本国内でもRIMIXバージョンとかでそういうアレンジのものも出している人もいるし別にいいんじゃないかと思います。その中でヒゲ女装パフォーマーの方に対する扱いについて炎上していたらしいです。彼については以前何かの番組で見たことがありますが、日本のアニメに対する愛はある人だと思いました。
良く言われることですがアニソンは主役メカの名前や武器の名前を叫ぶのが正しいというような言い方もどうかと思います。誰もが認める人気ナンバーワンのアニソン「残酷な天使のテーゼ」に「エヴァンゲリオン」とか「ブログレスナイフ」とかいう歌詞がありますか?
よくあるタイアップ曲に対する批判も別にその作品に合っていればいいと思います。「魔女の宅急便」のユーミンを批判する人はいないと思います。アニソンばかりを手掛けてるわけではない最近のアーティストでも作品を理解し作品に合った詞や曲を提供するグループもあります。逆にアニソン歌手の代表のようなJAMprojectなんかはあくまでも自分たちの曲として作り、作品をよく知ろうとしないということもありますから(「遊戯王」で「デュエル」という単語を一切使わないとか)。
まあ、演出も多々あるとは思いますがちょっと釈然としないところのある番組でした。
それと逆なのが「アメトーク 昭和アニソン軍VS平成アニソン軍」という番組。
おんじみアメトークの企画で昭和のアニソンを支持するケンドーコバヤシ、博多大吉、よゐこ濱口、麒麟川島と平成のアニソンを支持するKis-My-Ft2宮田、ハライチ岩井、足立梨花、天津向がお互いにアニソンについて論争するという企画です。
まあ愛あってのことだというのはわかるのですが昭和軍も昭和のアニソンのことをおもしろおかしく自虐的に取り上げていてあまりいいところを語ろうとはしていないんですよね。
昭和のアニソンにだっていろんなジャンルの音楽はありますよ。映像面や演出面で平成のアニソンが優れているといいますが年月がたってる分だけそれはあたりまえです。それがあるのも昭和のアニメの試行錯誤の積み重ねがあってのことだということ、古い作品でもこんなにすごいんだという部分がほとんどないのが残念でした。
岩井がアニソンはだいたい89秒だと得意げに言って、対するケンコバが「かいけつタマゴン」の短さをとりあげるのですが、5分アニメのオープニングが短いのは当たり前ですし、日本のTVアニメのフォーマットが50年以上前に定まって以来アニメのオープニングが基本90秒なのは常識です(笑)。
ということで極端な取り上げかたをするのがTVバラエティなのはわかっていますが、50年以上も日本のアニソンにつきあってきて古き良き昭和のアニソンも最新の平成のアニソンも好きな私としてはちょっと言わずにはいられない最近の2つTV番組でした。